画像は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長(左、2018年4月27日撮影)とドナルド・トランプ米大統領(2018年11月7日撮影)(c) Korea Summit Press Pool and MANDEL NGAN / various sources / AFP

 

ベトナム・ハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談は「決裂」に終わった。

学者やコメンテーターは、マスコミ越しに「トランプはバカだ」「金正恩がまたウソをついた」「実務者協議を飛び越えていきなりトップ会談につくからダメだ」など、一様に否定的な発言を繰り返し、ネトウヨたちも、コソコソと金正恩に対する低レベルな罵詈讒謗を飛ばしている。が、アメリカの国内情勢(トランプVS軍産複合体と、対中国関係)を鑑みつつ、この会談を観たならば、この二人の「頭の良い役者」の協力体制が密になっていることが分かる。

まず第一に、トランプ大統領は北朝鮮の非核化を急いでいない。

これは、北朝鮮が長距離弾道ミサイルの製造を行えば別だが、そうでもない限り北朝鮮の核はアメリカにとって脅威でない(届かないじゃん)。つまり、アメリカは北朝鮮の核などどうでも良い問題なのだ。

しかも、トランプ大統領が、一国(アメリカ)による世界の覇権支配構造を多極化、分散化しようとしているさなか、アメリカにとって代わるように覇権国になろうとしている中国を牽制するには、現在、習近平とそれほど懇意でない金正恩を取り込んで、中国の喉元に核を突き付けることが出来る。よって、トランプ大統領は、中国の体制変化を鑑みつつ、米朝関係の進展を表向き膠着させたり進展させたりしなければならないのだ。極東アジアから軍事的緊張状態が無くなることを望まないエスタブリッシュメントの顔色を窺いつつ、北朝鮮との距離感を絶妙に保ち、いざとなったら、頼りにならない韓国をよそに北朝鮮を舎弟にして中国と渡り合おう、あるいは渡り合える状況をトランプが作っているのだ。

一方、極東の顧客を失いたくないエスタブリッシュメントは、北朝鮮とトランプ大統領が手を組んだ時の担保として、韓国の反日感情を上手く利用し、日韓関係に緊張状態を作り出すことに成功した。

いくら韓国がそういう国だとしても、最終的かつ不可逆的解決をしたばかりの約束を反故にしたり、慰安婦像の増設や徴用工問題の掘り起こしという、下手をしたら国際社会から非難を受けるであろう愚考をわざわざ形にして日本人の琴線を鷲掴みにする必要(利益)があると、考えられるだろうか。

南北朝鮮あるいは中共の悪口を言えば愛国と思っている日本の新型保守は、バカとかアホとか出ていけと言っていれば気持ちが晴れるのだろうが、その幼稚さがアメリカのエスタブにとって好都合だと分かっていない。

今、賢いのは、トランプ大統領と金正恩、そして地に足を付けた安倍総理大臣と言えるだろう。

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